発表日:2023年02月13日
OKI、車載機器向けウィスカ評価試験サービスを拡充
-国際規格 IEC60068-2-82や自動車メーカー規格に対応 –
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:中井 敏久、本社:東京都練馬区、以下 OEG)は、電子部品のめっき表面から針状に成長する単結晶生成物「ウィスカ」の試験評価を行う車載機器向けのサービスを2月14日より拡充します。車載電子部品の小型化・高密度実装化に伴い、ウィスカによる短絡故障を予防する評価試験の要求が増えていることから、より幅広い評価ニーズに対応し、ウィスカ評価試験サービス全体で年間5,000万円の売り上げを目指します。
ウィスカは錫(すず)や亜鉛を用いためっきやはんだ部などから針状に成長する単結晶生成物で、電気を通すことから電子部品の端子間や隣接する部品電極間にまたがる形で成長すると短絡(ショート)故障が発生する場合があります。過去、電子部品のめっきやはんだには、ウィスカの生成を抑制する効果がある鉛入り材料が使用されていました。
しかし、RoHS指令(注1)などの環境対応により鉛フリー材料への置き換えが進んだこと、および車載電子部品の小型化・高密度実装化が加速したことにより、ウィスカによる短絡故障発生への懸念が高まっています。こうした背景から、より厳しい環境条件でのウィスカ評価試験の実施を車載機器メーカーに要求する自動車メーカーが増えています。
OEGは以前から、高温・高湿下、急激な温度変化といった厳しい環境におけるウィスカ発生状況を確認するウィスカ試験評価サービスを提供してきました。このたび新たに試料移動型冷熱衝撃試験装置を導入したことにより、温度急変試験における低温/高温の双方向テストエリア間の試料移動時間を10秒以内まで可能とし、国際規格であるIEC60068-2-82(注2)や自動車メーカー規格に対応した試験を実施できる体制を整えました。また、大型走査型電子顕微鏡を導入して、直径300ミリまでの大型部品を切断することなく観察することが可能となりました。これにより、試料切断に伴うウィスカの紛失や基板表面の汚染を防ぎ、より正確な評価が実施できます。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。