ルネサス、音声&ビジョンのマルチモーダルAIアプリケーションを実現する「RA8D1」マイコンを発売
発表日:2023年12月12日
グラフィックス機能を強化し、音声&ビジョンのマルチモーダルAIアプリケーションを実現する「RA8D1」マイコンを発売
〜高性能な32ビットArm Cortex-M85コアを搭載したRA8シリーズを拡充〜
ルネサスエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼 CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、Arm(R) Cortex(R)-M85 プロセッサを搭載したRA8シリーズの第二弾として、「RA8D1」グループを発売、量産を開始しました。RA8D1は、Cortex-M85を搭載した第一弾のRA8M1と同様、6.39 CoreMark/MHz(注1)という業界最高クラスの性能を実現した上、幅広いグラフィックスアプリケーションに対応するよう最適化した表示機能や周辺機能、さらに十分なメモリ容量を搭載しました。これより、グラフィックス表示だけでなく、例えば音声認識で起動した後、すぐにAIによる物体認識を行いグラフィックス表示するなど、音声とビジョンを活用した「マルチモーダルAIアプリケーション」の機能を実現できます。こうした機能は、ビルオートメーション、家電、スマートホーム、コンシューマ製品、医療機器などの幅広い用途に応用できます。
■RA8シリーズの性能とセキュリティ機能を継承
RA8シリーズのマイコンはすべて、ArmのMプロファイルベクトル演算拡張機能、Arm Helium(TM)テクノロジを採用しており、従来のCortex-M7コアを搭載したマイコンに比べて、DSPやMLの処理性能を最大4倍向上させます。追加でハードウェアのアクセラレータを用意することなく、Heliumテクノロジにより画像処理やニューラルネットワーク処理を高速化することができます。また、ArmのTrustZone(R)テクノロジ、ルネサスのセキュリティIP(RSIP-E51A)、イミュータブルストレージにおけるFirst Stage Boot Loader(FSBL)によるセキュアブート、Decryption-On-The-Fly(DOTF)に対応したOctal SPIインタフェースなど高度なセキュリティ機能を備えています。さらに、ポインタ認証および分岐ターゲット識別(PACBTI)というセキュリティ拡張機能を採用することで、メモリ安全性違反やメモリ破損を狙ったソフトウェア攻撃の脅威を軽減します。
■グラフィックス表示および音声とビジョンAIに最適化された周辺機能
RA8D1は、LCDへのパラレルRGBとMIPI-DSIインタフェースを備えた高解像度のLCDコントローラ、2Dグラフィックスエンジン、16ビットカメラインタフェース(CEU)、フレームバッファやグラフィックスのストレージ用の複数の外部メモリインタフェースを搭載しています。ユーザのシステム開発にあたっては、パートナ企業であるSEGGERの高品質なGUI(グラフィックスユーザインタフェース)ソリューションemWinや、ルネサスのFlexible Software Package(FSP)に統合されたマイクロソフトのGUIXも提供します。また、オープンソースのLight and Versatile Graphics Library(LVGL)を使用することができ、グラフィックスおよびAIに関連するエコシステムパートナの強固なネットワークが開発をサポートします。さらに、LCDパネルとカメラモジュールが付属したフル機能のグラフィック評価キットも提供することにより早期のシステム開発が可能です。これらにより、産業用HMI、ビデオ付きドアホン、患者見守り機器、グラフ計算機、セキュリティパネル、プリンタディスプレイ、家電ディスプレイなどのグラフィックスアプリケーション向けに最適な開発プラットフォームとなります。
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