島津製作所、マイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を発売

島津製作所、マイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を発売

発表日:2023年08月31日
マイクロプラスチックの抽出・回収工程を世界で初めて自動化
マイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を発売

島津製作所は、8月31日にマイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を発売します。本製品は海や河川、湖沼など環境水中のマイクロプラスチックの抽出・回収工程を自動化した世界初の専用前処理装置です。機器によるマイクロプラスチック分析の前には、夾雑物や表面に付着する物質を除去する工程が必須です。従来、煩雑で手作業が中心だった前処理工程を装置に置き換えることで、「業務の効率化」「前処理結果の品質向上」「安定した再現性」「安全性」の確保につながります。

マイクロプラスチックとは、波や紫外線などによって砕かれ、5mm未満となった微細なプラスチックです。生物が摂取して臓器に蓄積することで、人体をはじめとする生態系全体への影響が懸念されています。その分布実態の把握には、試料(環境水)に含まれるマイクロプラスチックの特定が欠かせません。正しい結果を得るために、規定に従って採取した試料から夾雑物やプラスチック表面に付着している物質を取り除く前処理が必要です。マイクロプラスチックの前処理は、草木や微生物など有機物を溶かす「酸化処理」と、砂や粘土といった無機物を分ける「比重分離」からなります。手作業中心の前処理は煩雑で難易度が高く、工程の効率や品質にバラツキがありました。「MAP-100」は環境水から得られるマイクロプラスチックを含む試料に対し、両工程および試料に含まれる粒子の回収までを自動で実施します。本製品は、環境省が今年3月に公開した「河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン」の附随書において「標準的仕様作成のために検討した装置」として掲載されています。

島津製作所は、プラスチックの種類を判別するフーリエ変換赤外分光光度計や、個数や形状を測定する粒子画像撮影装置など、マイクロプラスチック分析に活用可能な製品を多数販売しています。マイクロプラスチック分析の入口となる前処理工程を本製品によって自動化することで、多角的な環境調査・研究に貢献してまいります。

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