島津製作所、「温室効果ガスアナライザー」を発売

発表日:2024年05月30日
「温室効果ガスアナライザー」を発売
分析計測技術でカーボンニュートラル実現に向けた研究を支援
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島津製作所は、5月30日に、「温室効果ガスアナライザー( https://www.an.shimadzu.co.jp/products/gas-chromatography/application-specific-system-gc/green-house-gas-analysis/index.html?_ga=2.105979715.1195191960.1717038765-1697479456.1712563926&_gl=1 )」を発売します。本製品は、気候変動の要因とされる温室効果ガス(Greenhouse gas, 以下GHG)測定用に特化したガスクロマトグラフ(GC)で、GHGの95%以上を占める、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の3成分を一度に測定できます。当社は本製品を通じて、GHG測定が必要な農業分野などあらゆる分野で、高精度かつ高効率に分析データを提供します。なお、本製品は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)の特許(※1)を利用して開発しました。

グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて様々な業界で大気中のGHG成分の測定が求められており、CH4とN2Oの人為的発生源として最大の農業分野では、「土壌へのGHGの吸収量を増加させる土壌改良剤の探索」や「GHG排出を抑制する土中微生物の活用」などGHG削減につながる研究が進められています。また、GHG排出削減量や森林などへのGHG吸収量をクレジットとして国が認定するJ-クレジット制度やパートナー国間でGHGの削減・吸収量をクレジット化して取り引きする二国間クレジット制度では、GHG削減手法の妥当性を裏付けるためGHGの測定が求められます。これらGX技術の研究進展により、複数のGHGを一斉に測定できるGCの需要が増加しています。

本製品は当社主力製品であるGCのハイエンドモデル「Nexis GC-2030」と、農研機構のGHG3成分同時分析に関する特許技術を組み合わせたシステムで、3個の検出器とカラム(※2)を搭載して、GHG3成分を一斉かつ安定して測定できます。また、サンプル容器として、従来のガスバッグに加えてより小さいバイアル瓶も使用でき、最大108サンプルの連続分析を可能にします。加えて「温室効果ガスアナライザー」は「Nexis GC-2030」をベースとしているため、キャリアガスが切れた時の予備ボンベへの自動切り換え機能、自動停止・起動機能など、優れた操作性を引き継いでいます。GXの研究で求められる精度と業務効率の高いGHGの分析が実現可能です。

島津製作所は中期経営計画において、GXを社会価値創生領域の1つと定め、当該領域における社会課題の解決に注力しています。当社は今後も様々な分析計測技術を提供して、カーボンニュートラルの実現に貢献します。

※1 「大気ガスの測定方法及び装置」特許第4406694号および特許第6843395号(発明者:農研機構農業環境研究部門緩和技術体系化グループ須藤重人グループ長)
※2 サンプルの分離に使われるクロマトグラフの部品

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