ナリス化粧品、「モリンガ」の種子に老化した肌のシワを改善する効果が認められたことを発表
発表日:2023年12月11日
真皮分解酵素のMMP-9が表皮細胞の収縮に関与していることを発見
モリンガにシワ改善効果があることを学会発表
表皮細胞の収縮に働きかけることで、シワ改善を実現
株式会社ナリス化粧品(代表者 : 村岡弘義 本社 : 大阪市福島区)は、12月5日から7日の期間に埼玉県大宮市で開催された第1回 日本化粧品技術者会(SCCJ)学術大会で、これまで進めてきた表皮細胞の収縮制御に関する研究から、ワサビ科の植物で、「奇跡の木」「生命の木」とも呼ばれる「モリンガ(別名 : ワサビノキ)」の種子に、老化した肌のシワを改善する効果が認められたことを発表しましたので、以下にその内容をまとめます。
【研究の背景】
美容療法・美容施術のなかで、マイクロニードルや血小板注入などの肌に備わった創傷治癒能力や創傷治癒に関わる分泌物を利用した手法は、シワ改善などの抗老化効果を持つことが知られています。それらの効果は、老化によって衰える皮膚機能の一部が創傷治癒の過程で活発になる皮膚の機能と同様の変化を起こすことで、作用を発揮していると考えられますが、それらの施術効果は一時的なものです。当社は、日常的に使用できる化粧品にこの美容療法と類似する効果を付与することが、老化予防のために有効だと考えています。そのため、創傷治癒に関わる細胞の機能のなかでも、加齢変化についてほとんど情報がない「表皮細胞の収縮」に着目し、皮膚状態との関連を明らかにすることを目的として研究を行いました。
【研究内容】
異なる年齢の表皮細胞について、表皮細胞の収縮を確認した結果、若齢細胞は収縮力が高く、老齢細胞は収縮力が低いことが確認できました。また、表皮細胞の収縮力が真皮細胞外基質分解酵素として知られるマトリックスメタプロテアーゼ9(MMP-9)によって、制御されていることが確認できました。MMP-9が、表皮細胞の収縮に関与していることは今まで明らかではありませんでした。さらに、若齢よりも老齢の表皮細胞で少ないこと、表皮組織のなかでもMMP-9の量は、若齢よりも老齢の皮膚で少ないことを確認しました。次にMMP-9の産生促進による抗老化のなかでも特にシワ改善作用を発揮する可能性を検証するため、MMP-9の産生促進、表皮細胞の収縮改善剤として見いだしたモリンガ(ワサビノキ)の種子抽出物を配合した製剤をヒトの肌の目尻の部位に塗布したところ、プラセボ製剤に比べて優位なシワ改善を見いだしました。今後は、表皮細胞の収縮がシワなどの肌状態の改善につながるメカニズムについて検証していきたいと考えます。
■発表タイトル
Regulation of keratinocyte contraction by MMP-9 and its involvement in skin aging
和文 : MMP-9による表皮細胞の収縮制御とその皮膚加齢変化への関与
■発表者
株式会社ナリス化粧品 上田浩士 高田広之 安倉由佳 森田美穂
●研究者コメント
(ナリス化粧品 研究開発部 上田浩士)
当社では、これまで肌の抗老化に関する研究を長く行ってきました。今回の研究では、これまで着目していなかった表皮細胞の収縮に働きかける新しいメカニズムで、抗老化に働きかける素材を見つけることができました。今後も新しい価値を提供できるような抗老化研究を行っていきたいと考えます。
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