発表日:2023年01月17日
次世代のE/Eアーキテクチャにおける車の電源分配システムを、安全かつ柔軟に実現する車載用インテリジェントパワーデバイス(IPD)を発売
〜小型化により実装面積を約40%削減〜
ルネサスエレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼 CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、次世代のE/Eアーキテクチャにおいて、車の電源分配システムを安全かつ柔軟に実現する車載用インテリジェントパワーデバイス(IPD)「RAJ2810024H12HPD」のサンプル出荷を開始しました。量産は2024年1月から開始する予定です。小型のTO252-7パッケージを採用したことにより、従来のTO263パッケージの製品に比べて実装面積を約40%削減します。また、高度な電流検出機能により、過電流などの異常電流を高精度に検出することができます。特に小さな電流を流す低負荷時でも異常電流の検知が可能なため、小さな異常も見逃さない安全なシステム構築が可能となります。
新製品は、2023年1月25日(水)から東京ビッグサイトで開催されるカーエレクトロニクス技術展のルネサスブース(東5ホール、ブース No.43-52)に出展します。
ルネサスの車載アナログアプリケーションスペシフィック事業部、事業部長の大道 昭は次のように述べています。
「今回、新たなパワーMOSFETプロセス技術を採用した新世代の車載用IPDを提供できることを非常に嬉しく思います。ルネサスは電源システムの安全性や信頼性を向上するIPDの開発に注力すると同時に、マイコンと組み合わせたシステムレベルでの提案により、お客様の開発を強力に支援してまいります。」
従来の分散型E/Eアーキテクチャでは、バッテリからの電源をメカニカルリレーとヒューズで構成する電源ボックスから、太く長い配線で各ECUに電力を分配していました。IPDはメカニカルリレーに比べて寿命が長くメンテナンスフリーのため、車両のどこにでも配置することができます。そのため、今後の中央集中型あるいはゾーン型のE/Eアーキテクチャでは、IPDを使用することにより、細く短い配線で柔軟に電力ネットワークを構築できるようになります。ルネサスはこうしたE/Eアーキテクチャの進化に応えるために、高効率であることはもちろん、より安全性が高く、小型のIPDを開発しました。
新製品の主な特長は以下の通りです。
・ シングルチャネルハイサイド IPD
・ 小型のTO252-7パッケージ(6.10 x 6.50mm:端子除く)を採用
・ 2.3mΩ@25℃(typ,)の低オン抵抗(Ron)
・ 低負荷時に高い電流精度を実現
・ チャージポンプ内蔵
・ 負荷電流検出による自己診断フィードバック
・ 負荷ショート、過熱検出、センス電流出力、GNDオープン保護などの保護機能を搭載 ・ 3.3V/5V ロジックインタフェース対応
・ 低スタンバイ電流
・ 自己ターンONによるバッテリ逆接続保護
・ 車載規格のAEC-Q100、RoHSに準拠
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