STマイクロエレクトロニクス、EVの性能向上と航続距離の延長に貢献するSiCパワー・モジュールを発表

STマイクロエレクトロニクス、EVの性能向上と航続距離の延長に貢献するSiCパワー・モジュールを発表

発表日:2023年01月17日
現代自動車社の複数の車両モデルに使用されているEVプラットフォーム「E-GMP」にSTの高効率ACEPACK DRIVEパワー・モジュールが採用
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、電気自動車(EV)の性能向上と航続距離の延長に貢献する高電力のSiC(炭化ケイ素)パワー・モジュール5製品を発表しました。これらの製品は、KIA EV6など複数の車両モデルに使用されている現代自動車社のEVプラットフォーム「E-GMP」に採用されています。
新しいパワー・モジュール5製品は、SiCパワーMOSFETをベースにしています。EVのトラクション・インバータで一般的に使用されている定格電力や動作電圧に対応するため、自動車メーカーに柔軟な選択肢を提供します。また、トラクション・インバータ向けに最適化されたSTの「ACEPACK DRIVE」パッケージで提供され、焼結技術による信頼性と堅牢性を備えており、自動車メーカーは簡単にEV駆動システムに組み込むことができます。メインのパワー半導体としてSTの第3世代STPOWER SiCパワーMOSFETを内蔵しているため、業界最高レベルの性能指数(オン抵抗 x ダイ面積)に加え、きわめて低いスイッチング損失と優れた同期整流性能を備えています。
STのオートモーティブ & ディスクリート グループ 社長であるMarco Montiは、次のようにコメントしています。「STのSiCソリューションにより、大手車載機器メーカーは次世代EV開発における自動車の電動化をリードすることができます。STの第3世代SiC技術は、優れた電力密度と電力効率を実現することで、EVの性能向上や航続距離の延長、充電時間の短縮に貢献します。」
STのSiCパワー・モジュールは、EV市場をリードする現代自動車社の最新EVプラットフォーム「E-GMP」に採用されており、KIA EV6に搭載される予定です。現代自動車社のインバータ・エンジニアリング・デザイン・チームのSang-Cheol Shin氏は、次のようにコメントしています。「STのSiCパワーMOSFETをベースにしたパワー・モジュールは、当社のトラクション・インバータに最適で、航続距離の延長を実現します。STは自動車の電動化イノベーションにおける主要な半導体メーカーを目指しており、その継続的な技術投資を活用し、両社が協力することで、より持続可能なEVの実現に向けて大きく前進しました。」
STは、パワー半導体技術における業界のリーダーとして、世界各地ですでに300万台以上の量産乗用車にSTPOWER SiCパワー半導体を供給しています。SiCパワー半導体は、従来のSi(シリコン)パワー半導体より小型で、高い動作電圧に対応できるため、充電の高速化と車両性能の向上に貢献します。また、電力効率も向上しており、航続距離の延長や信頼性の向上にも貢献します。SiCパワー半導体は、DC-DCコンバータやトラクション・インバータ、車両からグリッドへの給電が可能な双方向動作のオンボード・チャージャ(OBC)など、幅広いEVシステムに採用されています。STは、垂直統合型の総合半導体メーカーとして独自のSiC戦略に基づき、優れた品質と安定した供給を確保することで、自動車メーカーの電動化戦略に貢献します。2022年10月に発表されたカターニャ(イタリア)の統合型SiCウェハ製造工場は、2023年に生産を開始する予定で、急速に進むeモビリティへの移行をサポートできるよう迅速に対応しています。
技術情報
今回発表されたSiCパワー・モジュール5製品の内、1200V耐圧の「ADP280120W3」、「ADP360120W3」、および「ADP480120W3(-L)」は現在量産中です。750V耐圧の「ADP46075W3」および「ADP61075W3」は、2023年3月までに量産が開始される予定です。これらの製品は、トラクション・インバータ用のプラグ・アンド・プレイ型のソリューションとして、直接液冷方式に対応しており、ピンフィン・アレイによって熱損失を低減します。最大接合部温度は175℃で、長寿命かつ信頼性の高いプレスフィット接続と基板へのダイ焼結処理により、車載アプリケーションの長寿命化に貢献します。STは今後、IGBTおよびダイオード・ベースのACEPACK DRIVE製品を追加し、製品ポートフォリオを拡充していく予定です。
これらのモジュールは、優れた熱効率と機械的強度で知られるアクティブ・メタル・ブレイズ(AMB)基板技術を採用しており、各基板に専用のNTCサーミスタが実装されています。溶接またはネジ止めバスバーを選択できるため、さまざまな実装要件に柔軟に対応可能です。また、ロングバスバー・オプションにより、モータ電流を監視するホール・センサを選択できるため、さらなる柔軟性の向上に貢献します。
STの最新世代ACEPACK DRIVEパワー・モジュールは現在量産中です。価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約48,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・コネクティビティの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラルの実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。
お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
オートモーティブ & ディスクリート製品グループ
TEL : 03-5783-8260 FAX : 03-5783-8216

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